第152回定例研究会 プログラム

日時 2016年10月18日(火)
会場 日本大学理工学部駿河台キャンパス1号館121会議室


13:30 開会の挨拶


13:35〜14:15 
   「液体水素関連技術の開発」 
  岩谷産業株式会社 中央研究所
  副所長(兼)水素エネルギー部 部長 繁森敦 氏

 当社は日本の水素技術のパイオニアとして、長年その開発と普及に努めてきました。その過程で、従来の圧縮水素に比べ運搬効率が12倍という「液体水素」の可能性にいち早く着目し、国内唯一のサプライヤーとして全国に安定供給を行っています。 本講演では、液体水素の製造、輸送・貯蔵、供給に関する技術開発動向について解説します。水素エネルギーの研究と普及の先頭に立ってきたことが評価されたものである。

14:15〜14:55 

  「低温域における温度標準と温度計校正技術」 
  (国研)産業技術総合研究所 
  物理計測標準研究部門 主任研究員 島崎毅 氏
 水素社会の実現に向けた技術開発が本格化し、その勢いが更に増す中、液体水素の取扱いに関する技術開発も精力的に進められている。液体水素は、沸点が20.3 Kであり、いわゆる極低温流体の一つである。この水素の沸点温度を含めた低温域における温度の標準と正確な温度測定を行うために不可欠な、温度計の校正に関する技術について概説する。

(14:55〜15:05 休憩)

15:05〜15:45  
  「磁気冷凍による水素液化への技術展望」 
  (国研)物質・材料研究機構 NIMSオープンイノベーションセンター
  磁性エネルギー変換材料ラボ ラボ長 沼澤健則 氏
 近年、日本ではNEDOプロジェクトを中心に、磁気冷凍技術を水素液化へ応用しようとする試みが行われてきた。磁性材料や冷凍サイクルを中心に基盤的な成果が得られたが、実用化への展望としては必ずしも十分なものではない。本講演では、進展が著しい室温磁気冷凍技術の活用を視野に入れて、今後の技術開発の方向について議論する。

15:45〜16:25   
  「液体水素冷熱利用エネルギーシステムの検討」
  筑波大学 システム情報系 助教 中山知紀 氏
 水素の貯蔵・利用形態の中でも液体水素は他の貯蔵方法に比べて20 Kという極低温を利用できるという点で決定的な差がある。水素をエネルギー源として利用する場合,通常は室温程度のガスとして利用するが,この時の昇温に おいて捨てられる液体水素の冷熱(蒸発潜熱および顕熱)を,冷凍機や超電導機器の冷凍に用いることができれば,より高機能・高効率なエネル ギーシステムの 構築が可能となる。 本発表では,液体水素を20 Kより低温を必要とする冷凍機の予冷に用いた際の効率向上の程度や高温超電導ケーブルによる低損失電力伝送と液体水素の同時エネルギー輸送の可能性につい て報告する。

16:25 閉会の挨拶

座長
(国研)産業技術総合研究所 高木英行 氏
川崎重工業株式会社 神谷祥二 氏