【第161回定例研究会】
日 時: 2020年1月21日(火曜日)
会 場: 日本大学 理工学部 駿河台キャンパス1号館 121会議室
テーマ: 「水素エネルギーに関する最近の研究開発」
13:30〜13:35 開会挨拶
13:35〜14:05
「CO2水素化によるメタノール合成に特化した触媒の創製」
東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻 特任助教 多田昌平 氏
持続可能性の高い社会を実現するために、化石資源に頼らない原料(CO2やH2O)や再生可能エネルギーから化石資源代替物を製造することが期待されている。完全に化石資源から脱却するためには既存の技術の延長線では困難であり、革新的な触媒技術の開発と社会システムの創出が必須である。本講演では、CO2と再生可能エネルギー由来のH2からメタノールを製造するために行ってきた、新規触媒の開発を紹介する。
14:05〜14:35
「エネキャリ合成の為の高効率トルエン直接電解水素化電解槽の開発」
横浜国立大学 先端科学高等研究院 特任教員(助教) 長澤兼作 氏
海外の再エネ賦存地域の電力を水素エネルギーとして国内輸入する事は、国内の電源構成における再生可能エネルギーの割合を2030年に22〜24%とする目標の達成に対して有力な手段である。本研究では特に長距離輸送において有利とされているトルエンーメチルシクロヘキサン系有機ハイドライドにおいて、水分解とトルエン水素化を同時に行う直接電解水素化による高効率電解槽の開発を行ってきた。本講演では本電解槽の開発経緯を報告する。
14:35〜15:05
「水素の高効率利用のための貴金属複合触媒の開発とそのキャラクタリゼーション」
京都大学 触媒・電池元素戦略研究拠点 特定講師 佐藤勝俊 氏
水素社会の実現に向けては効率的に水素を製造/利用するプロセスの確立が重要であり、触媒開発はそのためのキーテクノロジーである。我々の研究グループでは元素の相互作用を利用して、特殊な活性点を構築する複合触媒の開発を行っている。本公演では種々の水素製造反応を中心に、本研究グループにおける触媒開発と、先端解析を駆使したキャラクタリゼーションの成果について、最近の事例を交えて紹介する。
15:20〜15:50
「水素貯蔵材料としてMgを利用するには」
関西大学 化学生命工学部 准教授 近藤亮太 氏
Mgは資源的に豊富であり、水素吸蔵量が7.6mass%と高く、古くから水素吸蔵材料として利用が期待されてきた。しかし、水素の吸蔵・放出温度が高いこと、反応速度が遅いなどの問題があり、抜本的な解決策は見つかっていない。そこで、我々はMgの水素化挙動を組織的なアプローチでこれらの問題解決を図っている。講演では、欠陥、拡散速度、核生成頻度、生成速度の観点で明らかにしてきた最近の成果を紹介する。
15:50〜16:20
「次世代燃料電池に向けた高分子ナノファイバー複合電解質膜の開発」
首都大学東京 都市環境学部 環境応用化学科 准教授 田中学 氏
水素エネルギー社会の実現に燃料電池自動車の普及拡大は不可欠であり、NEDOロードマップで示される2040年頃の普及目標を達成するためには、挑戦的な技術開発課題の解決が求められる。高分子電解質膜においては、発電特性向上およびコストダウンに大幅に寄与する120℃無加湿での燃料電池作動という、従来材料の延長では達成困難な目標が設定されている。本講演では、我々が取り組んでいる次世代燃料電池に向けた高分子ナノファイバー複合電解質膜について紹介する。
16:20〜16:25 閉会挨拶
座長: (国研)産業技術総合研究所 高木英行氏、東京ガス(株) 馬場好孝氏
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