定例研究会

第170回定例研究会


 日 時: 2023年3月8日(水) 
 会 場: オンライン開催(Zoomミーティング)
 テーマ: 「最近の水素エネルギーに関する研究開発」

 
15:00〜15:05 開会挨拶 光島重徳 HESS会長

15:05〜15:35
「レドックスフロー電池および電気化学水素ポンプの電極活性と物質輸送」  
 群馬大学 大学院理工学府 化学システム工学プログラム 助教 石飛 宏和 氏

本講演では再生可能エネルギーの貯蔵・調整力用途のバナジウムレドックスフロー電池のカーボン電極材料について、電極活性および物質輸送について最近の研究例を概説する。電極活性についてはカーボンへの高温熱処理温度、物質輸送については境膜物質輸送について正極・負極での振る舞いの違いを焦点として説明する。エネルギーキャリアから圧縮水素を製造する電気化学水素ポンプについても、電極触媒について討議したい。

15:35〜16:05
「アルコールを高付加価値物質と水素に転換する電解プロセスの開拓」  
 埼玉大学 理工学研究科 准教授 荻原 仁志 氏  

膜/電極接合体 (MEA)を使ったアルコール電解システムを紹介する。MEAデバイスでアルコール溶液を電解すると、アノードでアルコール脱水素反応、カソードで水素発生反応が進行する。水素製造のみならず、アルコールを高付加価値物質(エステル、アルデヒド、アセタールなど)に転換できる本プロセスは、原子効率の高い反応系である。再エネ電力を使うことで、水素と高付加価値物質を同時製造するグリーンプロセスになる可能性を秘めている。

16:05〜16:35
「次世代水素技術としてのスピルオーバー水素を活用した多元系 合金ナノ粒子の合成」
 大阪大学 大学院工学研究科 マテリアル生産科学専攻 マテリアル科学コース
  准教授 森 浩亮 氏

『水素スピルオーバー』は気相の水素分子が、酸化物表面上に吸着した金属を介 して高活性な単原子として流れ出し拡散する現象である。もし固体表面上の活性 水素種を自在に操ることができれば、水素の製造、貯蔵、輸送、利用技術はもと より、さらにその先を見据えた次世代水素社会のキーテクノロジーになりうる。 本発表では、その新たな活用法の一つとして水素スピルオーバーを還元駆動力と して利用した、多元系ハイエントロピー合金ナノ粒子の低温合成を紹介する。

16:35〜16:40 閉会挨拶 
                       ※質疑応答の時間を含みます。
司 会: (国研)産業技術総合研究所 高木 英行 氏


 

 

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