HESS大会

13:30〜13:35 開会の挨拶

13:35〜14:15 
「環境省における取組について」
環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 地球温暖化対策事業室 水素班長 大谷直人 氏

菅総理の2050年カーボンニュートラル宣言により、水素利活用への期待がさらに高まっていると認識しています。環境省は、これまでも地域の再エネ資源などを活用して水素をつくり、ためて、はこんで、つかうまで一貫したサプライチェーンの構築を実証してきました。また、水素の需要拡大による低コスト化・普及拡大を目指し、燃料電池バス等の導入促進も行っています。これらをはじめとした、環境省の水素事業について紹介します。

14:15〜14:55
「水素電車HYBARIによる実証試験について」
東日本旅客鉄道株式会社 技術イノベーション推進本部(技術戦略部門) 
部長(JR東日本研究開発センター所長) 大泉正一 氏

JR東日本が開発中の「水素電車HYBARI」は、水素を燃料とする燃料電池と蓄電池を電源とするハイブリッドシステムを搭載し、世界で初めて70MPaの高圧水素を利用できる燃料電池鉄道車両です。これにより、35MPaの燃料電池車両では困難だった長距離での鉄道走行が可能になります。「水素電車HYBARI」は2021年度末から実証試験を開始し、燃料電池制御技術の最適化や、地上設備に関する技術開発項目の検討など、実用化に向けたデータを収集し、日本の鉄道の厳しい条件をクリアする高性能かつ安全な燃料電池車両の早期の実用化をめざしていきます。

14:55〜15:35
「燃料電池自動車用水素品質規格の動向とJARIの取り組みについて」
(一財)日本自動車研究所 電動モビリティ研究部 エネルギデバイスグループ 研究員 松田佳之 氏

水素中の不純物は、成分によっては自動車用燃料電池の性能を低下させるおそれがある一方で、過度な品質要求は水素品質管理側の負担が増大する。燃料電池自動車用の水素品質規格は、国内外のインフラおよび自動車メーカー等とともに議論され、2019年にISO14687として改定版が発行された。本講演では、ISO14687における改定審議の中で活発に議論された成分のうち、一酸化炭素やホルムアルデヒド等についてJARIにおける燃料電池への影響評価結果をご紹介する。

15:35〜15:50 休憩

15:50〜16:30
「国内外の水素エネルギーに関する動向」
株式会社テクノバ エネルギー研究部 エネルギー技術調査グループ グループマネージャー 丸田昭輝 氏

直近の国内外の水素エネルギーに関する動向を俯瞰し、日本の政策・R&Dにおける課題などを解説する。
・直近の国内外の水素エネルギーに関する動向  ・なぜ欧州が水素展開に舵を切ったか 
・日本を追い越す勢いの韓国と中国の状況  ・国際的な水素サプライチェーンの状況
・系統と水素の関係  ・カーボンニュートラル性を考える  ・日本への提言

16:30〜17:10 
「ドイツ・NRW州でのFCVと水素ステーションの最新状況」 
株式会社NRWジャパン(ドイツNRW州貿易投資振興公社) 代表取締役社長 ゲオルグ・K・ロエル 氏

NRW州はドイツ16州で最大のGDPを誇る産業州。発電・消費電力共に全独の3割が同州に因るもので、ドイツNo.1のエネルギー州でもある。2020年11月には州政府として初めて独自の政策「水素ロードマップ」を策定した。主要産業である化学やその他産業から副産物として生じる水素の次世代エネルギーとしての活用は益々期待されており、NRW州ではFCVの実用化や水素ステーションの設置等、水素エネルギー関連プロジェクトを積極的に促進中。NRW州は今後も技術開発や事業化支援に取り組んでいく。

17:10〜17:15 閉会の挨拶
                                     (質疑応答時間を含みます)